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「あんた…何者だ?」
今の宗司に出来る選択肢は、そう聞く事だけ。
それもそのはず…。
こうして常座源次郎と対面するまでは、宗司の中で源次郎自身についてこれ程疑問を持つ相手ではなかった。
単なる入院患者の老人でしかなかったのだから。
「何者……と言うのは、私が監視カメラに映っていた状況を知っていたから…の疑問かね?」
ゆったりとしたこの喋り方に、宗司の言いたい事を分かった上でのこの聞き方。
それは次第に宗司をイラつかせていく。
そうだよ…!それを聞きたいんだよ!!
宗司がそう答える前に、さらに源次郎は話を続けだした。
「その疑問を抱くという事は、私の正体を全く知らないわけだね。
ん…なかなかの度胸だと思う。
あー…それもそうか。
私のノートを手に入れる、算段をしていたわけだし。
…そうかい、そうかい。まぁ、仕方がないさ。
君の様な一般民が私の正体を知らないのは当たり前。
それに知らない方が身の為でもある。」
その源次郎の言葉にバカにされた様な苛立ちを覚えながらも、それ以上に不気味な恐怖感があった。
…何だ?この感覚は…。
目の前にいるのは自分と同じ人間のはず。
老人で…入院患者のはず。なのにこの異様な雰囲気…。
こいつは…普通じゃない…。
じゃあなんだってんだ!
「あんたの言う様に、俺はあんたの正体を知らずに来た。
遠回しな言い方はいい…。あんたは何者だ…?」
「…そうだね。
私の正体は…んー…君の様な一般人に分かりやすく言うのなら……裏社会の頂点にいる者…かな。」
微笑みながらゆっくりと、源次郎はそう言った。
だが言っている内容は、そんな微笑ましいものじゃない。
もちろん冗談で言っているのなら微笑み返しても良かっただろうが…それが冗談だとは思えないでいた。
それは先程感じた異様な雰囲気が、源次郎の言っている事を真実であると決定付けているようであったからだ。
「あー…正確には、いくつかの組織があってね。
その一つのボスをやっていたのだよ。」
「…いたってのは、今は違うのか?」
「そう。さすがにこんな体じゃねぇ。早々と席は譲ったよ。」
現ボスではないのか。
…それでも監視カメラの映像を知る事が出来たのは、元長である力か。
こいつはそこらにいる人間とは違う世界を生きた人間…。
梶が弱気になっていたのはこいつの生きた世界を知ったからか…。
……ハハ。あんたの言ってた事は正しかったわけか。
…なら……今直ぐにでも…
俺はこいつを…始末するべきだ!!
宗司はゆっくりと、持っていた源次郎のデスノートを広げる。
そしてポケットからペンを取り出した。
page.75「真実」へ続く・・・
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