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そこまでの道のりは妙に静かだった。
病院だから当たり前なのかもしれないが、もし途中で誰かに声を掛けられていたとしても、気付かなかっただろう。
それ程集中していた。
だが決して、目の前にある勝利に気持ちが高ぶっていたわけではない。
確かに今までほど警戒心は強くなく、特別な罠を仕掛けているわけでもない。
だがそれに深い意味はなく、単にその必要がないからだった。
もちろんそれには理由がある。
その理由は梶の持っていた参戦者リストに書かれていた。
常座源次郎。年齢は85。
都民総合病院に入院中。
いくつかの病気による入院だが、基本的には老体によるもの。
自身の力で動く事はほとんど出来ない様子。
それでも意識はしっかりしており、会話などは問題無く出来る。
これらのリストに書かれた情報から、常座源次郎に対しての警戒心は低くても問題は無い。
だから梶だってこいつを後回しにした。
俺が源次郎を倒せないとか梶は言っていたが、恐らく負けを認めさせるのが難しいからだろう。
この歳でわざわざこのゲーム参加したぐらいだ、執念深い何かがあると考えられる。
だからって死で脅しを掛けようとも、年寄り相手じゃ意味が無い。
ならば…シンプルなノートの使い方をするしかない。
だがいくつかの疑問もある…。
それを聞いてから始末しても、まぁ、問題はないだろう。
それに……デスサバイバル優勝者の姿ぐらい、見たいだろうしな。
自然と出てしまった、勝利を確信した笑み。
最後に勝利すりのは自分…。
その考えはデスサバイバルに参加した時からあった。
もちろん、もう少し余裕のある戦いを予想していたが……。
それでもここまで来れた事に変わりはない。
ならば待ち受けているのは……勝利のみ。
page.72「面会」へ続く・・・
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