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「何だこれは…?」
服の上から触る限りではそれが何なのか分からない様子で、ナイフを使ってゆっくりと浦賀の服を上げていく。
それによって現れたのは、ガムテープで体に張り付けられた黒い物体。
「何だ…?」
実際に目で確認しても強盗犯は理解出来なかった。
「何だよこれは?」
「何でもない。気にしない方が身の為だ」
浦賀はこれで諦めてくれる事を祈りながらそう言う。
だがその祈りも届かず、強盗犯はハハハと一笑いする。
「そう言われるともっと気になるもんだぜ?」
そう言ってニヤつきながらデスノートに手を触れる。
浦賀は覚悟を決めた。
力づくしかないと。
藤吾に目をやると、同じ様に理解したのか表情が一変しており、軽くうなずいていた。
…よし!
そう決意を決めた時だった。
ドサっと音がしたと思うと、強盗犯が血相を変えて尻餅をついていたのだ。
その表情はまるで、何か化け物を見るかの様だった。
浦賀は全くその意味を理解出来ない。
いや、それは浦賀だけでなく藤吾はもちろん、もう一人の強盗犯も同じであった。
その強盗犯はもう一人に声を掛けるが、相変わらず表情は驚きのまま、それでもゆっくりと手を上げて何かを指差した。
「ば、化け物が…!!」
その言葉に皆反応し、指の先を見る。
だが、強盗犯の一人は結局分からずじまいだった。
何故ならそこには何もいなかったのだから…。
しかし、それはデスノートに触れていない故。
所有者である浦賀と所有権を持つ藤吾には指の先の物体が……死神が見えていた。
そうか。
さっきノートに触れたから…。
無口な奴だからつい存在を忘れていた。
すると椅子に座っていた死神が立ち上がる。
「化け物化け物って五月蠅いな…。」
だが、どう見てもその姿は化け物そのもの。
顔には肉と言うものは見当たらず、頭蓋骨から見える目が異様な不気味さを出していた。
猫背の死神はゆっくりと尻餅をついた強盗犯に近寄っていく。
「化け物じゃなくて、ちゃんとダリルって言う名前がある。」
その声は恐らく強盗犯には届いていなかっただろう。
ダリルが黙って座っているだけで、血相を変える程の驚き様なのだ。
それが動いて、更に近付いて話しかけて来たら気絶モノだろう。
「あ…ああ…あああああっああっあああ!!」
さすがに気絶する程ではなかった強盗犯ではあるが、それでも言葉にならない様な驚きだった。
その様子が気に入らないのか、ダリルはグイッと強盗犯に顔を近付けてジロジロ見ている。
そして、
「ワッ!!」
と大声を出し、強盗犯を驚かした。
それが相当の衝撃だったのか、強盗犯の一人は色々な物に当たりながらも必死に逃げ出して行った。
一人取り残されたもう一人の強盗犯は、現状に唖然としながらも仲間を追いかけるように部屋を飛び出して行った。
「最後まで失礼な奴等だったな…。」
そう呟きながら、ダリルは再び椅子へと座った。
page.64「二人」へ続く・・・
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