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「どうした?黙っているってのは図星だからか?」
静寂なこの一室に、加工された不気味な声が響く。
梶の住む家にはこの戦いの為に作られた一室がある。刑事としてのノウハウが生かせる一室が。
…正確には刑事のノウハウをデスサバイバルに生かす場所だが。
参戦者を特定するのに使った多くの情報。
それを上手く使いこなせる様に、特別に作られたプログラムが入ったパソコン。
そしてそれにより作成された梶最大の武器…参戦者リスト。
その一室で今ゴーストと電話をしている。
もちろん電話がかかってきた携帯電話はこの時の為に用意されたもの。
ここから梶が特定される要素は無いに等しい。
それだけ念入りに…刑事のノウハウを最大限に生かして作られた代物だ。
「いい加減反応したらどうだ?
分かっていないようだがお前が小中一輝と繋がりがある事を知っているってのは、小中一輝を人質に捕っているという意味だ。
その人質はいつでも殺せる状態にあるという事も忘れるなよ。」
こうやって強気でいるが…だからってこっちも強硬姿勢ではまずい。
臆病なやつみたいだからな…。
むしろ少し弱気に行くべきだな。
「…俺が参戦者だって事は認めよう。だからって小中一輝って人は知らない…。」
…そう。
ゴーストからしたら梶と一輝の繋がりをしっかりとした裏を取っているわけではない。
梶はそこを突いてこの電話を引き伸ばそうとした。
まずは宗司が、藤吾がゴーストではない事を確認するまでだな…。
宗司頼むぞ…!
案の定藤吾はすぐに見つかり、それと同時に藤吾がゴーストでない事も証明された。
梶との作戦では藤吾がゴーストであろうとなかろうと、どちらか分かった時点で宗司は梶に連絡をする予定だった。
だがそれは梶とのゴーストを倒す為の作戦でしかない。
それ以上を求める宗司にとって、この作戦は宗司独自の作戦の一部でしかないのだ。
さて…準備も調ったし…やるか。
「梶さん。聞こえる?」
しかしすぐには反応は無い。
ゴーストとのやり取りをしながらこちらに反応するのはなかなか難しい様だ。
「…宗司。どうだ?藤吾は?」
「いたよ。」
「電話は?」
「してない。」
…よし。やはり藤吾はゴーストじゃなかった…!
「それで…ゴーストらしき人物はいるか?」
「…分からない。
こちらより向こうの方が見渡しは良いだろうから、無暗に探せる状態じゃないしな…。
けどもう少しゴーストを探すの粘ってみる。」
「無茶はするなよ。ここまで作戦通りに来てるが…いつ何が怒るか分かったもんじゃない。」
「ああ、気をつけるさ。…ありがと。いろいろと…。」
急に宗司のトーンが変わる。
「おいおい。何だよ、いきなり…。そんな事言うなよ。
まるで今から死に行く奴のセリフじゃないか。」
梶はそんな宗司を元気づける様に明るく振る舞う。
「ハハ…そうだよな。ゴメンゴメン。」
元のトーンに戻った宗司の声を聞き、梶は少し安堵する。
それでも願った…。
これが何か嫌な事の前触れでなければいいと…。
page.57「激変」へ続く・・・
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