2009年09月27日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.77「終戦」

page.0〜76
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「宗司、何故屋上に…?
まだデスノートに書かれた時間ではありませんから、自分の意思で来たのですよね?」

屋上から街を眺める宗司の少し後ろに立って、ラウはそう問い掛けた。

「俺はこれから死ぬんだ。色々と浸りたい気分なんだよ。」

そう言うと、宗司は黙り込む。

楽しかった…のか?

確かにこのゲームに参加しなければ、今後も本当の自分を出さずに人生を終えたのかもしれない。
そう言う意味では、楽しかったのかもな…。

…あー、だから今から死ぬのにそれ程悲しくないのか。
このゲームがあったから、本当の自分を出せて人生を楽しめた。

けど、ゲームももう終わる。
それならいっそ、その楽しみと共に消えた方が幸せなのかもしれない。

……我ながらひねくれた考えだな。
…いや、ひねくれてなんかいない。
そりゃ、他人から見たらひねくれているだろうけど、これが俺なんだ。

こうやって、最後まで自分を突き通した。

自分を突き通して、さらにその人生を楽しむ……。

「ラウ、ありがとな…。
こんな幸せ……そう味わえないよ…。」

そしてその幸せな身は軽々と、地へと崩れていった。


ラウにとって、人間の死を見たのはこれが初めてだった。
もちろん、今までデスノートを使って多くの人間を殺してきた。
だが、いつもはノートに名前を書いて終わり。
書かれた人間の死に様など見た事なかった。

…だが……この光景を覚えている。
人間の死を…。

その感覚は、まるで自分が経験した様に…。

……そうか。
死神大王は、これを恐れて……!


page.78「大王」へ続く・・・
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2009年09月21日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.76「敗者」

page.0〜75
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「まぁ、一番の理想は、私が最後に残ってノートを手にする権利を破棄する事だったのだけどね…。
だが…全員が死ぬ事で約束が果たされるとは……。
存在すべきはないモノを手にした人間は、それと共に存在すべきではないモノになってしまうのかね。」


「……何を…言ってる?」


「…ん?要するに、デスノートという人間界に存在すべきでないモノを手にした人間―」


「違う!…その前だよ!全員死ぬって…!?」


確かに源次郎はそう言った。
死ぬのは全員…参戦者全員だと。


「あー…、まだ言ってなかったかな。
死ぬのだよ。君も。」


「死ぬ…?俺が…?」


「そうだ。」


「ハハッ……何を言っている!
死ぬのはあんただ!!」


「いや、君もだよ。
デスノートに、君の名前が書かれているのだから。」


源次郎が言葉を重ねる度に恐怖が襲って来る。
だがそれをすぐに追い払う。
それはそう難しい事じゃない。
何故なら確信があるから。
デスノートに自分の名前は書かれていないと。


「…それはない!
しっかり監視させてた…。
三人の犯罪者を潜入させて、あんたを監視させてたんだ!」


宗司は念には念をいれてそれをしていた。
梶の参戦者リストを見て、常座源次郎という人物を知った時から。


「ああ。そうみたいだね。
そう言う報告を聞いていたよ。」


「…だろうな。この病院があんたの物なら、バレていたって事だ。
…だが、デスノートに俺の名前が書かれる様な事はしていなかった!」


「そうだよ。私は書かなかった。
…分かるはずだ、君なら。誰が書いたのか…。」


誰が自分の名前をデスノートに書いたのか…。
…だが思い付かない。
今まで全てが完璧だった。だからここまで来れた。
それがここに来て、そんな事を言われても全くの検討がつかないのだ。


「難しく考える必要はないよ。」


そんな宗司の心情を悟ったのか、源次郎がアドバイスをするかの様に言いだした。


「思い出してごらん…。最近、自分の名前を書いた覚えはないかい?」


「……?
………!
……!!!!
あの…時…!」


覚えている…。鮮明に。忘れるはずがない。
ついさっきの出来事なのだから。
いや、それだけじゃない。
その時トラブルも起きていた。
だからこそ鮮明に記憶しているのだ。
それと同時に絶望が押し寄せて来る。

もうどうしようもない…。

俺の死は決定付けられた。


「…その様子だと、全てを理解したみたいだねぇ。」


「……俺が名前を書いた紙は、デスノートの切れ端だった…。
ここはあんたの病院だ。その後に俺の死因など、病院の誰かに書かせる事だって出来る。
…これで、誰もデスノートを手に入れずにこのゲームは終わるわけだ。」


死神大王が望んだ通りになった。
さらに、死神達や自身の暇潰しにもなり欲求は満たされたはず。
人間はいい様に使われたのだ。
死の神とは言え、やはり神に変わりはない。
人間は、神には逆らえないと言う事か…。


「以外とスッキリした顔をしてるね。」


源次郎が言う様に、これから死ぬと分かっている人間のわりには、宗司の顔は晴れやかだった。


「そうか…?
これでも絶望ってやつをかなり感じたし、やっぱり死ぬってのは嫌だな。
…けど確かに、妙なスッキリさはある。
多分、あんたのやり方に感服してるのかもな。
自分でノートに名前を書いて負けるなんて、考えもしていなかったよ。
……で、俺はいつ死ぬ?」


「…後、10分ってとこかね。」


「死因は?」


「この病院から飛び下りて…。
だが、苦しむ事なく即死としておいたよ。」


「…親切なのか残酷なのかわからないな。」


「ハハハッ。」


これから死ぬ者同士とは思えない穏やかさが、この二人にはあった。


「…そうか、10分か。
じゃあ、あんたの方が先に死ぬな。」


「おお、そうかい。優勝おめでとう!」


そう言いながら源次郎は手を叩く。


「何だよ、それ。全く嬉しくないね。」


すると、宗司は源次郎に背を向け扉の前に立った。


「…まぁ、最後の相手があんただったのは嬉しかったかな。」


そう言うと、軽く手を振り部屋を後にした。


「…私はこんな所で君に会いたくなかったよ。
もっと早く……君とは長く…戦って……いた…かっ……た……――。」


page.77「終戦」へ続く・・・
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2009年09月14日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.75「真実」

page.0〜74
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「…私の名前を書くのか?」


「ああ、そうだ。」


そう言うと宗司は、何のためらいもなく常座源次郎とデスノートに書き込んだ。
源次郎はその様子を見ていたが、これと言って何か抵抗するわけでもない。
もちろん宗司としては願ってもいない事。
これならば聞きたい事がすんなりと聞ける。
その為に死まで、数分の猶予を与える書き方をした。


「…あんたが凄い存在って事は分かった。
けど俺の知らない世界だし、正直あまり実感はない。
…まぁ、だからってわけじゃないが、そんな事は俺にはどうだっていい。
聞きたい事はただ一つ。
何故あんたはこのゲームに参加した?」


その疑問は、源次郎が裏社会のボスだったと知った事でさらに強まっていた。
ゲームに勝利して、デスノートを手に入れた所で源次郎には何の得もない。
ボスだったのならば、その力を利用する事で大概は思い通りになるはず。
それに先の長い命でもないはずなのに…。
それにもしこれが今後の組織の為であるなら、もっと部下を使うはず。
それをこうやって、一人で挑んでいるのは…何故だ?


「単にデスノートを自分の物にしたかったからか?」


「…いや、それは違う。
私が参加した理由は、このゲームを終わらせる為。
誰もノートを手にする事なくね…」


「…!?
…それは…お前もか?」


「そう。こうして残った、私も君も。」


「…ハハっ!何を言っている!!
要するにこうか!
自分以外をすべて始末して、ノートを手にする権利も破棄すると!」


…相変わらず、目的の分からん奴だ。
考えとしては、梶に近いものなのか…?
残り少ない命を、良い事に使おうとでも思ったのか…。

しかし宗司のその考えとは、全く違ったものが裏に隠されていた。


「私の命が残り少ないのも明白だろう。
だから簡潔に話す。質問は無しだ。」


そう言って源次郎は話を切り出し、その後とんでもない話をしだした。


「私の目的の根源には、死神大王が関わっている。」


「死神大王!?
…って、確か死神の頂点に立つ者。」


「そう。そいつに頼まれたのだよ。
誰もノートを手にする事なく、このゲームを終わらせてくれと…。
どうやら今以上の数のデスノートを、人間界に与えるのは多くのバランスを崩すそうだ。
しかしこの様な事態を起こしたのは、今まで少しで止どまっていた死神の欲求が異様に膨れ上がった為。
そうなれば、大王権限で死神達とデスノートを死神界に戻させても、死神達の欲求は収まらず他の問題を起こしかねない。」


「……それを避ける為に、あんたにそんな事を頼んだのか。
…裏社会の頂点に立っていたあんたに。」


裏社会で頂点に立っていた者なら、その力を利用しこのゲームに勝利する事も可能性としては高い。
死神大王は、それを考えていたのかもしれない。


「しかしあんたも、よくそんな話に乗ったな。」


「んー…なんでだろうねぇ…。
残り少ない命だ。最後に一仕事したかったのかもね。
けど良かったよ。君は理解が早くて。」


源次郎がそう言う様に、とんでもない内容だが宗司の中での理解は早かった。
いや、理解と言うよりは受け入れる事が出来ただけかもしれない。
宗司にしてみれば、話半分に聞くだけで良かったのだ。
それは単に、どんな内容であり宗司の勝ちに変わりはないからだ。

裏社会だか何だか知らないが、そんな所の頂点に立ってれば自分が凄い奴って思うよな。
現に死神大王に頼まれた事を、こうやって実行してるわけだし…。
それって自分が、それをこなせる力があると思ってるからだろ?
…だがそれも勘違いだったわけだ。
俺みたいな単なる高校生にデスノートを奪われ、自分の名前を書かれちゃう様な奴だし。

確かに宗司の考え通りならば、明かされた真実がどんな内容であってもなんの問題はないし、源次郎は大きく自分を勘違いしている事になる。
宗司の考え通りならば、デスノートに名前を書かれた源次郎が死ねば、残った宗司が勝者となる。

……そう。

デスノートに書かれた名前が……源次郎一人であれば…。


page.76「敗者」へ続く・・・
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2009年09月13日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.74「頂点」

page.0〜73
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「あんた…何者だ?」


今の宗司に出来る選択肢は、そう聞く事だけ。
それもそのはず…。
こうして常座源次郎と対面するまでは、宗司の中で源次郎自身についてこれ程疑問を持つ相手ではなかった。
単なる入院患者の老人でしかなかったのだから。


「何者……と言うのは、私が監視カメラに映っていた状況を知っていたから…の疑問かね?」


ゆったりとしたこの喋り方に、宗司の言いたい事を分かった上でのこの聞き方。
それは次第に宗司をイラつかせていく。


そうだよ…!それを聞きたいんだよ!!
宗司がそう答える前に、さらに源次郎は話を続けだした。


「その疑問を抱くという事は、私の正体を全く知らないわけだね。
ん…なかなかの度胸だと思う。
あー…それもそうか。
私のノートを手に入れる、算段をしていたわけだし。
…そうかい、そうかい。まぁ、仕方がないさ。
君の様な一般民が私の正体を知らないのは当たり前。
それに知らない方が身の為でもある。」


その源次郎の言葉にバカにされた様な苛立ちを覚えながらも、それ以上に不気味な恐怖感があった。

…何だ?この感覚は…。
目の前にいるのは自分と同じ人間のはず。
老人で…入院患者のはず。なのにこの異様な雰囲気…。
こいつは…普通じゃない…。
じゃあなんだってんだ!


「あんたの言う様に、俺はあんたの正体を知らずに来た。
遠回しな言い方はいい…。あんたは何者だ…?」


「…そうだね。
私の正体は…んー…君の様な一般人に分かりやすく言うのなら……裏社会の頂点にいる者…かな。」

微笑みながらゆっくりと、源次郎はそう言った。
だが言っている内容は、そんな微笑ましいものじゃない。
もちろん冗談で言っているのなら微笑み返しても良かっただろうが…それが冗談だとは思えないでいた。
それは先程感じた異様な雰囲気が、源次郎の言っている事を真実であると決定付けているようであったからだ。


「あー…正確には、いくつかの組織があってね。
その一つのボスをやっていたのだよ。」


「…いたってのは、今は違うのか?」


「そう。さすがにこんな体じゃねぇ。早々と席は譲ったよ。」


現ボスではないのか。
…それでも監視カメラの映像を知る事が出来たのは、元長である力か。
こいつはそこらにいる人間とは違う世界を生きた人間…。
梶が弱気になっていたのはこいつの生きた世界を知ったからか…。
……ハハ。あんたの言ってた事は正しかったわけか。
…なら……今直ぐにでも…
俺はこいつを…始末するべきだ!!

宗司はゆっくりと、持っていた源次郎のデスノートを広げる。
そしてポケットからペンを取り出した。



page.75「真実」へ続く・・・
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2009年08月27日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.73「逆転」

page.0〜72
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一番守るべき物がこうも簡単に取られる。
それを受け止める事などそう簡単には出来ない。
取られるはずはないと。
そう思い始めると、それを確信にするには実際に自分のノートを確認するしかない。
しかしこれがハッタリならば、狙いはそこ。
相手が老人なら、ノートの隠し場所さえ分かれば後は力づくで手に入れる事が可能。

しかし、その可能性を宗司自ら否定する。

「ハッタリなんかじゃないぞ。ちなみに俺のノートはここにある。」


そう言うと、宗司は肌に密着させていたノートを見せる。
確かにそれは黒いノート。
だがそれがデスノートで、宗司の物という証拠にはならない。


「うん…。ならば仕方ない。」


だが源次郎は、この現状を素直に受け止めたのだ。
その様子に、逆に宗司が戸惑いを見せる。


「疑わないのか……!?」


「まぁ…そうだねぇ。
だって……その紙袋、この病院に入って来た時には持っていなかったよね。」


…!?
何で…こいつ、それを…!


「けどこの部屋に入って来た時には持っていた。
どこかでそれを……受け取ったか何かしたのかな。」


その源次郎の言葉は、全て当たっていた。
先程デスノートを取り出した紙袋は、宗司が持参したものではなく、この個室に入る前に看護師の女性から受け取ったものである。
…正確には、看護師の女性ではなく看護師の格好をした女性だ。
その女性は犯罪者であり、宗司が事前にデスノートで操っていた人間。
その指示は、源次郎のデスノートを手に入れる事。

部外者であるその女性が源次郎自身に怪しまれないよう、他の看護師の制服を着て近付く。
ベッドを新しくすると言い、源次郎を部屋から出しノートを探させるように操り、後は宗司が来るのを指定の場所で待たせる。
そうしてその女性から、ノートの入った紙袋を受け取っていたのだ。

宗司がノートを突きつけても、源次郎が全てを受け入れている様子から、恐らくその裏事情も把握しているのだろう。


…当初の予定と大きく違ってしまった。
こうやってノートを見せて、自分に勝ち目の無い事を相手に感じさせ色々話を聞くつもりだった。
確かに源次郎は、現状を受け入れている。
だが全く、自分が窮地に立たされているという事を感じていないようだ。


「しかし、いつノートを盗られたか気付かなかったね。
今考えれば、いくつか思い当たる節があるんだが。」


この反応も…老人だからか?
いや、ただの老人じゃない…。
紙袋の事だって、何故病院に入って来た時は持っていなかったって知っている…?
こいつは、単なる病気入院している老人じゃない。
だからこそ、この反応なんだ…。


ふと、梶が最後に残した手紙の内容を思い出す。


あいつがビビってたのには、深い意味があったのか…?
こいつは何者なんだ!?
……当初聞く予定だった質問より、いくつか疑問が増えたな。
…もちろん、悪い意味で。


「…何故、俺が病院に入って来た時には紙袋を持っていなかったと分かる?」


単なる入院患者が、そんな事を知るなど出来ない。
ましてや、自力で動く事も出来ないこの老人が。
だが知っていた…。
それは何故?
それを知る為のこの質問。
もちろん、質問の仕方は慎重だ。
もし、何故紙袋を持っていなかったと知っている?なんて聞けば、持っていなかったと自分から暴露する様なもの。
もしかしたら、相手はそれを聞く為に引っ掛けをしているのかもしれない。
だから、その辺を濁して聞いた。

だが源次郎の答えは、単純なものだった。


「それは君が、監視カメラに映っていたからだよ。紙袋を持たない君がね。」


「…!?」


……何を言っているんだ?
いや…言ってる意味は分かる。
確かに監視カメラは病院の入口や受付にあった。
それに映っていれば、紙袋を持っていたかどうか分かる。

…だが何故……何故それをこいつが分かる!?
単なる老人……入院患者だぞ?
…いや、なら…単なる入院患者じゃないって事だ。


「あんた…何者だ?」


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2009年08月26日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.72「面会」

page.0〜71
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「待っていたよ…。」


その老人は、しっかりとした顔つきでベッドに座りながらそう言う。
それはゆったりと、微かに枯れた声だった。
それでも少し大きく聞こえたのは、ここが病院でさらに個室だったからだろう。


こいつが常座源次郎。
リストに載っていた写真と同じだな。


宗司は梶の参戦者リストにあった、常座源次郎の顔写真を思い出して間違いが無い事を確認する。


「待っていた……。それは自分の敗北を、か?」


「はっはっは!面白い子だねぇ、君は。」


宗司の返しがホントに面白かったのか、源次郎は体を震わせながら笑っていた。
病人とは思えない程の表情に、宗司は少し戸惑う。


自力で歩く事は出来ないという梶の調べから、座る事もままならない御老体かと思っていた。
…いや、確かにそうなのかもしれないが、それを感じさせない元気がある。
これは死を目の前にして開き直っているのか…。
それとも死を恐れていないのか。
老人が病気で入院なんかしても、以外と元気だったりするらしいが、それと同じなのかもしれない。


だがそれは疑問視する程の問題じゃない。
元気だろうと、元気じゃなかろうと関係のない事。


「そうやって笑っていられる状況なのか?」


その宗司の問い掛けに、源次郎は少し考え込む。


「…ん、それはどういう事かな?」


「こういう事だ。」


宗司はそう答えると同時に、手に持っていた紙袋から黒いモノを取り出した。


「それは…デスノートかな?」


その黒いモノは、参戦者なら誰でも分かるノート。
参戦者の一人である源次郎ならそれに気付くのは容易だった。
しかし、それでも気付かない事があった。


「そうだよ。これはデスノート。……あんたのな。」


「…!?私の……?」


源次郎は気付かなかった。
見せられたノートが自分の物だと。
だが、ハッタリの可能性もある。
見せているノートは本当は宗司の物だという可能性が…。


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posted by K at 03:01| Comment(0) | TrackBack(0) | DEATH NOTE -another- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月18日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.71「病室」

page.0〜70
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そこまでの道のりは妙に静かだった。
病院だから当たり前なのかもしれないが、もし途中で誰かに声を掛けられていたとしても、気付かなかっただろう。
それ程集中していた。
だが決して、目の前にある勝利に気持ちが高ぶっていたわけではない。
確かに今までほど警戒心は強くなく、特別な罠を仕掛けているわけでもない。
だがそれに深い意味はなく、単にその必要がないからだった。
もちろんそれには理由がある。
その理由は梶の持っていた参戦者リストに書かれていた。


常座源次郎。年齢は85。
都民総合病院に入院中。
いくつかの病気による入院だが、基本的には老体によるもの。
自身の力で動く事はほとんど出来ない様子。
それでも意識はしっかりしており、会話などは問題無く出来る。



これらのリストに書かれた情報から、常座源次郎に対しての警戒心は低くても問題は無い。
だから梶だってこいつを後回しにした。
俺が源次郎を倒せないとか梶は言っていたが、恐らく負けを認めさせるのが難しいからだろう。
この歳でわざわざこのゲーム参加したぐらいだ、執念深い何かがあると考えられる。
だからって死で脅しを掛けようとも、年寄り相手じゃ意味が無い。
ならば…シンプルなノートの使い方をするしかない。

だがいくつかの疑問もある…。
それを聞いてから始末しても、まぁ、問題はないだろう。
それに……デスサバイバル優勝者の姿ぐらい、見たいだろうしな。

自然と出てしまった、勝利を確信した笑み。
最後に勝利すりのは自分…。
その考えはデスサバイバルに参加した時からあった。
もちろん、もう少し余裕のある戦いを予想していたが……。
それでもここまで来れた事に変わりはない。
ならば待ち受けているのは……勝利のみ。


page.72「面会」へ続く・・・
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2009年08月14日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.70「受付」

page.0〜69
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「ちょっと、君!」


参戦者最後の一人がいる病院
最後の戦いを目指し、宗司がその病院へ入ろうとした時だった。


「…え?俺?」


入口の警備員に声を掛けられ宗司は足を止める。


「そう、君。
病院に入るにはそこで名前を書かないとダメなんだよ。」


警備員の指す先には面会者受付と書かれた場所だった。


「…名前ですか?」


「そう。最近じゃ病院も色々と警戒心を高めていてね。」


…名前。

宗司にとって…いや、ゲームに参加している者なら誰でも敏感になる言葉。

とりあえずそこまで行ってみるか…。


「分かりました。ありがとうございます。」


宗司はそう警備員に言って指示通りの場所へ向かう。

……しっかり看板も付いてるし、怪しむ事も無いか…?
まぁ、名前は偽名を使えばいいか…。

出来れば他の誰かが受付を利用する様子を見て状況を把握したかったが、時間帯が悪いのか誰も来る事はなかった。

休日の夕方じゃこんなものか。
警備員に指示されたのにうろうろするのもマズいし……仕方ない、さっさと済ませるか。

受付に行き、そこにいた女性から指示を受ける。


「こちらに貴方の名前をお書き下さい。」


渡された一枚の紙には名前と面会相手の名前を書く欄があった。

こんな簡単な物か…。警戒しすぎたな。
ま、それでも偽名にするけど…。

自分の名前の欄には鈴木宗司と名字を変えて書き込んだ。

面会相手はもちろん分かっている。
……源次郎と。


「お願いします。」


そう言って宗司は書き込んだ紙を受け付けに渡した。

今思えば渡す前に気付くべきだった。
先程警備員は警戒心を高めていると言っていた。
それなのに単に名前だけで済むはずがないのだ。


「ありがとうございます。
では、身分証を確認させて下さい。」

…!?


「身分証?」


「はい。……無いと面会には行けないのですが…。」


偽名なら誰にだって使う事が出来る。
だが、身分証を偽るなどそう簡単には行かない。

クソ…!
偽名なんて使うんじゃなかった…。

宗司は身分証を探す振りをして時間を稼ぐ。

持ってないことにして、後日来るか…?
しかし、それも……。
こうやってハプニングが起きる客は覚えられやすい、それに警備員にだって……。
だからって忘れられた頃では遅すぎる…!
最後の一人はまだ未知の存在…。
改めて来るなんて危険過ぎる!
……やはり、このまま…。


「あ、ありました。」


そう言って宗司は学生証を渡す。
受付の女性はそれを受け取ると、そこに書かれた名前と先程紙に書いた名前を照らし合わせる。
しかし名前の違いに気付き、少し戸惑いながら宗司に問い掛けてきた。


「あの…お名前を聞かせて頂けますか?」


「え…?そこに書いてある通りですが…。」


「それが…書いて頂いたのと、身分証の名前が違ってまして…。」


「……あ!すみません…!」


宗司は指摘された事に今気付いたかのような様子を見せる。
しかし、単に名前を間違えましたでは納得はしてくれないだろう。
勿論それは宗司も分かっていた。


「そっちの…学生証の名前が正しいです。」


それは受付の女性も分かってはいた。
ただ、間違えた理由が知りたかった。
その理由しだいでは面会を拒否しなければならない。


「……何故名前を間違えたのですか?」


「…あの……」


宗司はその問い掛けを受けると戸惑いを見せ始めた。


「…その…親が離婚しまして…それで……」


それを聞き女性は理解した。
彼の戸惑いは恥ずかしさからか…。
それとも辛さからか…。
どちらにしろ、これ以上問い掛けるべきではない。
そう思うと宗司が全てを言い切る前にそれを止める。


「…分かりました。」


少し微笑みながら女性はそう言う。

宗司は、すみませんと軽く会釈を返す。


…ま、俺もまだ子供だ。
ならそれを最大限活かさないとな。


「では、もう一度こちらに書き直して下さいますか?」


「あ、はい。」


もう一度紙を受け取り、今度は正しく名前を書く。


「お願いします。」


書き終えた紙を渡すと今回は難無く受け取り、面会の許可をもらった。


「あ、面会相手のお部屋は分かりますか?」


「ええ。分かります。大丈夫です。」


分からないわけがない。
そこに待ち受けているのは最終決戦。
全てが決まる運命の場所なのだから…。


「お騒がせしました。」


そう言って、宗司は受付を後にする。


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posted by K at 02:45| Comment(0) | TrackBack(0) | DEATH NOTE -another- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月10日

DEATH NOTE-another- 〜DEATHサバイバル〜page.69「病院」

page.0〜67
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ここが都民総合病院…。

大きさから言ったら市立病院より一回り大きい感じか。
他はこれと言って変わった所は無く、ごく普通の病院と同じ。

参戦者と言ってもここに入院してるぐらいだ…。警戒心はたかが知れてる。


梶から手に入れた参戦者リスト。

そこには参戦者の名前、居所、顔写真……望み通りの内容が書かれていた。
そして、梶から渡されたファイルにはもう一枚それとは関係ないものがあった。


これが君の手にあるという事は俺は負けたんだね。

ま、君も想像していただろうけど、このリストは最初から君に渡すつもりはなかった。

それでもこうして渡ってしまったのだから、まぁ…素直に負けは認めよう。

だか勘違いするなよ。これを手に入れたからといって、君の勝ちが確定したわけじゃない。

いや、そもそも君にやつを倒せるかどうか……て、負けた俺が言える義理じゃないな。

死ぬなよ。



梶はデスノートで操って死んだ…。
ならばこのメッセージの書かれた一枚の紙は、操れる前に事前に準備したものだろう。


…こんな風に負けを想定している奴が勝負に勝てるわけがない。
梶の言っているヤツってのは、多分最後の一人の事だろう。

…そいつに俺が負ける?

もし最後の一人と対峙するのが梶だったら、自分が負けるという予想は当たっていただろう。
それは最初から負ける事を考えているから…。
そんな奴の予想を誰が信用する。
勝てると思ってる奴が必ず勝てるとは限らないが、この考えの違いは大きい。
その想いをモノにする者こそが真の勝者だ…!


強い決意…。強い確信…。
それがあったからこそ、宗司はここまで来れた。
そして、さらにその先を宗司は見ている。自身の勝利という未来を。


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posted by K at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | DEATH NOTE -another- | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月08日

再度再開

お久しぶりです。

とりあえず、私情の忙しさも落ち着いたので更新を再開しようと思います。

せめて中途半端なDEATHNOTEだけでも終わらせたいと思いますので、宜しくお願いします。

また余裕があれば新しいものを作って行きたいとは思っています。

では、今後もよろしくお願いします!


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posted by K at 03:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする