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「な、何を!?」
「騒ぐなよー。さ、中に入ろうか?」
ナイフを持っていた男はそう言い、もう一人の男は辺りを見渡している。
恐らく
目撃者がいないか確認しているのだろう。
何だ!?こいつらは…!
そう思いながらも浦賀は言われるがまま、二人の男と一緒に部屋の中に入った。
それを見た藤吾は、驚きを隠せずにどういう事か浦賀に問い掛けた。
しかし答えたのは浦賀ではなくナイフを持った見知らぬ男の方だった。
「まぁ落ち着けよ。こんな風にナイフを持ってはいるが、別に殺そうとは思っていない。
あ、状況によっては殺すけど。」
ハハハと、二人の男は笑ったが浦賀と藤吾にとっては笑えない。
もちろんこうやって笑って事が過ぎれば、これ以上の喜びはないが。
とにかく、こいつらをなんとかしないと…!
ナイフを向けられながらも浦賀は解決策を考える。
ゲームの方だって何も解決してないんだ。
勝つか負けるかの重要な時だってのに…!
「…あ?」
その時、ナイフを持っていない男の方が何かに気付いた。
「ハハハ!おい、こいつ見てくれよ!」
軽快に笑いながらその男は藤吾を指差す。
その指先は藤吾の両手だった。
どうやら紐で結ばれた両手に気付いた様だ。
そう言われてナイフを持った男が藤吾の両手を覗き見た。
「何だよこいつ!変なプレイでもしてたんじゃねーの?ヤベーな!!」
君達にヤベーと言われる筋合いもないし、変なプレイでもない。
そう言いたかった浦賀だが、今はそれどころではないという事を理解していた。
とりあえずこいつらの目的を…。
「あの……目的は何ですか…?」
「そんなに難しい事じゃない。単に金を頂戴しに来たんだ。」
…強盗か。
単なる強盗と、この時の浦賀は思ったが、これが違う時だったら普通はこうは思わなかっただろう。
今の浦賀にとってはこいつらがゲームとは無関係だという事だけで
安心感があった。
…そういえば。
「あ…けど、さっき警察がどうのって…」
藤吾がドア越しに聞いた二人の会話が浦賀には気になっていた。
「あー、アレね。アレは居留守を使わせない為だ。
ここの
ホテルは結構な
高級ホテルだろ?だからプライバシーはかなり尊重される。
それだけ、泊まってる奴もプライバシーを尊重して欲しいって事だろ?」
確かにナイフを持った男のその考えは当たっていた。
浦賀自身もプライバシーを特に重視するこのホテルを選んだ。
だが、これほどの高級ホテルに何日も
泊まるには資産的に無理があった。
しかしそれを実際に可能にしたのは、
デスノートがあったからだ。
デスノートは
使い方次第で大金持ちにもなれる。
浦賀はそれに気付き、これがゲームに参加するきっかけにもなっていた。
「尊重して欲しい奴等が警察沙汰になんかしたくないだろ?」
強盗犯はニヤニヤしながらそう言った。
そうやってニヤニヤしているのも、浦賀には理解出来た。
なにしろ実際に、奴等の警察と言う言葉に反応してしまい、居留守を使うつもりがまんまと招き入れてしまったのだから。
結局はゲームと関係あるやつらでもなかったし、狙っていた警察の奴とも無関係…。
冷静さが足りなかったな。
しかし、そうと分かればとっとと金を渡してこの場を去ってもらおう。
幸い今持っている金も少ない。こちらの
ダメージも少なくてすむ。
その浦賀の考えが甘いものだと、すぐに思い知らされる事になる。
page.62「裏目」へ続く・・・